「ワイヤーアクセサリーを始めたいけれど、種類が多すぎて何を選べばいいの?」
「アーティスティックワイヤーと14kgf、何が違うの?」
そんな悩みをお持ちではありませんか?
ワイヤー選びは、作品の仕上がりや耐久性を左右するとっても大切な、且つ基本的なステップです。
でも、金属の種類から、ラウンドやスクエアといった形状、さらには「ゲージ(太さ)」や「硬さ」まで、覚えることがたくさんあって迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、初心者の方が迷わず材料を揃えられるよう、ワイヤーアクセサリーに使われるワイヤーの知識を1ページにすべてまとめました。
この記事を読み終える頃には、作りたい作品にぴったりのワイヤーが自信を持って選べるようになっているはずです。
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写真をタップすると、ほかの記事のように拡大されるのではなく、ショップに飛ばされるのでご注意ください。
ワイヤーの金属の種類
まずはここから、「銅(コパー、カッパ)」
初心者から中級者におすすめなのは断然、銅です。手に入りやすいし、柔らかくて加工しやすいし、お財布にも優しいので実験的な作品に気兼ねなく挑戦することができます。
また、銅はニッケルを含む他の金属よりは金属アレルギーを起こしにくい素材でもあります。
ジュエリー用コーティングワイヤー
ワイヤーアート用のワイヤーとして最もポピュラーなのは、銅線にカラーコーティングが施されたものです。
色数が豊富で、作品のイメージに合わせて選べるのが魅力です。代表的なブランドをいくつかご紹介します。
ビーダロン・アーティスティックワイヤー(Beadalon Artistic Wire)
ワイヤーアート用のワイヤーを検索してまず見つかるのはこれではないでしょうか。ハンドメイドアクセサリー資材を専門に扱っているビーダロンという会社の製品です。
ワイヤーアクセサリー制作によく使われるのはスタンダードシリーズとシルバーメッキシリーズです。 銅の芯材にエナメルのカラーコーティングと耐変色コーティングが施されていて、色数は50色近くあります。
スタンダードカラーズは光沢の少ないしっかりした色合いのものが多く、シルバーメッキシリーズは銀メッキの上に色を付けてあるので銀の輝きがあります。
日本でアーティスティックワイヤーを全色全ゲージ取り扱っているお店はなかなか見当たりませんが、NOISEというお店はビーダロン製品のアジア地区輸入総代理店が運営しているお店なので、割といつも揃ってます。
- スタンダードシリーズ:マットでしっかりした色味のカラフルなシリーズ
- シルバーメッキシリーズ:銀メッキの上にカラーコーティングがされた高級感のある輝き
- メタリック :カラーコーティングなし、または金属の風合いをカラーコーティングで表現
ビーズスミス・ワイヤーエレメント(Beadsmith Wire Elements)
アーティスティックワイヤーと同じく、銅芯+変色防止コーティングワイヤーです。アーティスティックワイヤーと共に、初心者〜中級者に非常に人気の2大ブランドとなっています。
カラーコーティングワイヤーはロットによる多少の色違いが出てしまうものですが、その点ではアーティスティックワイヤーに軍配が上がるようです。(私は使ったことがないのでレビューを参考にしています)
とは言え、アーティスティックワイヤーより大容量で種類が多く、しかも価格が控えめなので、アーティスティックワイヤーの代用品としても人気があります。
中国製ブランド
Benecreat(ベネクリエイト)やBeadthoven(ビードトーベン)など、中国製ブランドもよく見かけますね。その他、メーカー名が書いてないリーズナブルな製品も、中国製だと思ってほぼ間違いないです。
アーティスティックワイヤーやビーズスミス・ワイヤーエレメントの廉価版的な位置づけで、コスパではどんなメーカーもかないません。
品質はそれなりですが、「練習用」「大量に使うとき」「とりあえず試したいとき」にはピッタリです。
らくまくワイヤー・カラーカッパー
アイラブスマートというオンラインショップの自社ブランドです。
アーティスティックワイヤーのシルバーメッキシリーズと同じく、銅の上にシルバーメッキ、さらにカラーコーティングと変色防止コーティングがされています。
色展開は全10色です。👉PDFカタログ
アマゾンと
ヤフーでも販売されてはいますが、送料を含めて考えるとアイラブスマート本店サイトで購入した方が少し割安だし種類も豊富です。
(下の写真はYahoo!ショッピングへのリンクになっています)
裸銅線
電気工作や園芸などでおなじみの銅線。 私が使うのはもっぱらこれです。
あまり人気がありませんが、ピンクゴールドにちょっと似ていてきれいだと思いませんか?
変色することを欠点だと言う人もいますが、エイジングを楽しめるというのは銅の大きな魅力の一つだと思います。
また、はんだ付けやハンマーを使った加工、薬品を使ったパティナ仕上げなど、コーティングのあるワイヤーでは決してできないことが可能です。
パティナには、下の写真のような硫化液(黒化液)を使うのが一般的です。
購入するときは、銅の割合が99%以上であることを確認してください。別の金属が混ざっていると硬いです。
本格派の選択肢、「金」と「銀」
金や銀のワイヤーがあるなんて、ご存じでしたか?
私はワイヤーアクセサリーを作るようになってから初めて知りました。
銅ワイヤーで熟練したら、こういう高価なワイヤーに移行する作家さんが多いです。
金(ゴールド)
純金は柔らかすぎるため、銀・銅・亜鉛など別の金属を混ぜて硬さや色味を調整しています。
この混ぜられた金属を「割り金」といい、金の純度は24分率の数字に、純度を表す単位、"Karat"(カラット) の K をつけて表されます。たとえば純金は 24/24 なので K24 です。
(ちなみに、宝石の
Carat は重さを表す単位です)
割り金でどんな色にも変化する金の色味
金は割り金の種類や割合によって色味が変わる面白い金属です。色味の調整がされた金のことをカラーゴールドと言います。
- イエローゴールド(YG): 金+銀・銅
- ピンクゴールド(PG): 金+銀・銅(銅多め)
- レッドゴールド(RG): 金+銅
- パープルゴールド: 金+アルミニウム
- グリーンゴールド(GG): 金+銀
- シャンパンゴールド: 金+銅・亜鉛
- ホワイトゴールド(WG): 金+パラジウム
- グレーゴールド: 金+鉄
- ブラックゴールド(BG): 金+銀・プラチナ
調べて出てきたカラーをすべて列挙してみましたが、残念ながらワイヤーとして市販されているのはイエロー、ピンク、ホワイトのみです。(少なくとも私はそれしか見たことがありません)
ホワイトゴールドに関してはちょっとだけ注意が必要です。まれにニッケルが含まれていることがあるので、敏感な人はアレルギーを起こす可能性があります。
金の割合でも変わる金の色味
さらに、同じカラーゴールドでも金の割合(K数)によって色味が変化します(あと価格も…)
例えば、イエローゴールドの場合は以下のような感じです。
- K18(75%): 私たちが“金色”と聞いて思い浮かべる、やや赤みを帯びた深い金色
- K14(58.5%): K18より少し黄味が淡く、落ち着いた色合い
- K10(42%): 割り金の方が多いので、金色というよりは黄味がかった柔らかいクリーム色
アクセサリーなどに加工されている金製品には、例えば純度75%なら "K18" または "18K" の刻印がありますが、"K18"は日本製、"18K" は外国製です。
貴金属買取店のブログによると、18K(外国製)は純度が低いことがあり、買取を拒否されることがあるそうです😱
ワイヤーの純度はどうなんでしょうね…
銀(シルバ-)
純銀は、アルミや金と同じ程度の硬度しかない、とても柔らかい金属です。そのため、ジュエリーには金と同様に銅やパラジウムなどを混ぜて硬さを調整した合金が使われています。
純度は金とは違って千分率(‰:パーミル)で表されます。
- 999‰以上: ファインシルバー(純銀)
- 925‰: スターリングシルバー
- 900‰: コインシルバー
ファインシルバーは爪で傷が付くくらいに柔らかいので、ジュエリーには美しさと耐久性を兼ね備えたスターリングシルバーがよく使われます。
作品を銀で作ったら、いぶし銀に加工して渋カッコよく仕上げましょう! 加工には銅のところで紹介した黒化液が使えます。
フィルド、プレーテッド
銅に飽きたので貴金属を使ってみたいと思っても、高額な金・銀はちょっと敷居が高すぎますよね。見た目は金・銀と同じで、もっとリーズナブルなワイヤーがあります。
それが、フィルドワイヤーとプレーテッドワイヤーです。
フィルドワイヤー
フィルドワイヤーは、芯となる金属の表面に金・銀を圧着したもので、総重量の5%以上が金・銀であるものがフィルドと呼ばれます。
ゴールドフィルドはGF、シルバーフィルドはSFと表記されていることが多いです。
下の写真は14KGFと書いてあるので、14カラット(58.5%)の金を圧着させたゴールドフィルドワイヤーということですね。
プレーテッドワイヤー
プレーテッドは、金属の表面を金や銀などの箔でコーティングしたもののことで、いわゆるメッキ(鍍金)です。
フィルドより安価ですが、工具を使うと簡単に剥がれてしまうので、大抵はポリウレタンなどでコーティングしてあります。
ゴールドプレーテッドはGP、シルバープレーテッドはSPと表記されることがあります。
銅の所で紹介したコーティングワイヤーも、大抵はプレーテッドワイヤ-です。
これらは銅を芯材としたシルバープレーテッド(銀メッキ)ワイヤーに、カラーコーティングと変色防止コーティングがしてあります。
深みのある黄金色、「ブラス(黄銅・真鍮)」
ブラスは、銅に亜鉛などを加えた金色の銅合金です。製造コストが低いため、古くから金の代用品として広く使われてきました。
含まれる金属の割合によってさまざまな呼び名と特徴があり、それぞれに適した用途があります。アクセサリーに使われるのは、次の3種類です。
- レッドブラス(銅90%):銅の赤みが強く、ピンクゴールドのような温かみのある色合い
- ゴールドブラス(銅85%):K18ゴールドに最も近いと言われる、上品で深い金色
- イエローブラス(銅70%):黄色みの強い元気な金色
英語圏においては、ゴールドブラスのことを「Merlin’s Gold
(魔法使いの金)」や「NuGold
(新しい金)」と呼んで高級感を演出することもあります。
日本ではアクセサリー以外にも仏具としてよく見かけますね。
一般的なブラス(5円玉など)は銅が65%程度です。
亜鉛が多いと黄緑がかった冷たい色合いになり、ワイヤー自体も硬く、折れやすい傾向があります。
ネットで購入するなど、実物の色を見ずに購入する場合、銅の所で紹介したコーティングワイヤーのメーカーがブラスワイヤーも販売しているので、そのようなメーカー製を選べば失敗がありません。
アーティスティックワイヤーのブラスワイヤーは14カラット、アイラブスマートのプラクティスワイヤーは18カラットのイエローゴールドに近い色合いに調整してあります。
(
以前、アーティスティックワイヤーにイエローブラスがあったはずなんですが、2025年のカタログに無いのでどうやら廃番かな?)
ブラスは銅と同じようにエイジングを楽しめる素材です。銅合金なので、銅と同じ薬品が使えます。
強さと安心の「ステンレス」
ステンレスは"stainless steel"の略で、そのまま日本語にするなら「さびない鉄」です。
銀色で美しいのに銀より安価で、耐蝕性に優れ、加工しやすい上にアレルギーを起こしにくいステンレスは、アクセサリー素材としてもおなじみですね。
ステンレスは鉄にクロムなど別の金属を含ませた合金で、含まれている金属によっていくつかの種類があります。
アレルギーを起こしやすい金属の含有が少ないのは、SUS304とSUS316Lです。
SUS304はキッチン用品にもよく使われている身近なステンレスで、らくまくワイヤーやアーティスティックワイヤーのステンレス線もSUS304です。
SUS316Lはさらにアレルギーを起こしにくく、医療にも使われるためサージカル(手術用)ステンレスとも呼ばれます。値段はSUS304より少し高めです。
ステンレスはほぼ鉄なので、銅や貴金属のワイヤーに比べて硬く、曲げたり巻いたりするのに力が要ります。
商品説明に「柔らかい」と書いてあっても、それは「ステンレスにしては柔らかい」という意味です。銅ワイヤーほど柔軟ではないので、初心者向けではありません。
色で遊ぶ、「カラーワイヤー」
オブジェやウォールアートを作って楽しんだり、カゴや写真立てなど身の回りのちょっとした雑貨を作ったりするのに使われるワイヤーです。
(もちろん、アクセサリーを作る人もいます)
素材は主にアルミか鉄です。
アルミニウム
軽くて柔らかく、変色しにくいワイヤー。
金属に直接色を乗せているので金属質な光沢感があり、光の当たり方で金属特有の反射や陰影が出ます。シャープで洗練された色味が多いです。
値段が安いので気軽に挑戦できますが、工具による傷が付きやすく、銅と同じ感覚で鋭角に曲げるとそこでパックリ割れてしまうことがあり、慣れが必要な素材でもあります。
脆いので1.0mm未満の細いゲージはあまり売っていません。
とはいえ、銀色の生地に着色されたワイヤーはとても美しく、創作意欲がかき立てられるワイヤーです。
よくわからないメーカーの安物ワイヤーは激しく色落ちしたり、色ムラがひどかったり、カラー膜が剥がれることがあります。
アルミワイヤーを選ぶときは、表面加工がアルマイトであることを確認してください。
アルマイトについてはこちらの別記事で解説しています。お勧めのアルミワイヤーも6種類紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
もう色剥げには悩まない!ワイヤークラフトがもっと楽しくなるアルミワイヤーの選び方と、おすすめのワイヤー6選 | K's Wire Art
カラーアルミワイヤーの選び方を解説。カラーコーティングと染色アルマイト(陽極酸化)の違いをはじめ、日米のアーティスティックワイヤー、アートワイヤー、BENECREATなど、有名クラフトワイヤーの太さ・色・価格を比較します。
塩ビ線
ポリ塩化ビニール(PVC)で被膜されたワイヤー。芯材は鉄のことが多いです。
金属に直接色をのせたアルミワイヤーとは違って、反射率の低い均一な色合いです。
主な用途は園芸や屋外で何かを結束したりすることなので、ホームセンターなどで見かけるのは白・黒・グレーと、赤・青・緑などの実用的な原色系しかありません。
でも日本化線の頑固自在と自遊自在はワイヤークラフト用として作られた塩ビワイヤーで、色数が豊富です。
芯材の選定と、クラフトに適した塩化ビニールの開発技術によって、モノづくりの街として有名な大阪府東大阪市の「東大阪ブランド」にも認定されています。
頑固自在
頑固自在は手ざわりと色彩にこだわったワイヤーです。
色彩調和論という、美しい配色を導き出す幾何学的理論をもとにしてカラーバリエーションが設計されているので、どんなふうに色を組み合わせても、あるいは木材・花・石といった別の天然素材と組み合わせても、色同士が喧嘩せずに作品全体が美しくまとまります。
自然の風景(草木、土、花、空など)に存在する色をベースにした全18種類の色には、「茜(あかね)」「鶯(うぐいす)」「黄金(こがね)」「桑茶(くわちゃ)」など、日本の自然を感じさせる和風の名前がつけられていて、その色味は上品で落ち着いた雰囲気。
しかも表面には艶消し加工がされていて、塩ビワイヤー特有のプラスチックのようなテカリがありません。シックで高級感のある作品に仕上げることができます。
芯材はなまし鉄線です。曲げやすさとしっかりとした硬さを両立していて、実際に使える雑貨(インテリアバスケット、スマホスタンドなど)や、大型の立体オブジェを作るのに最適です。
自遊自在
被膜線は大抵は鉄芯ですが、「自遊自在」はアルミを芯材に使っていて非常に柔らかく、子供でもワイヤークラフトを楽しめるようにと安全性に気を配ったシリーズです。(φ0.9mmだけ鉄芯)
切断した部分に被せるキャップやジョイントパーツが用意されているので、ワイヤー同士を「つなぐ」「とおす」「飾る」といったアレンジが、工具を使わなくてもできます。(ニッパーは必要です)
シックな色合いの「頑固自在」と違って、「トマト」「エッグ」「キャンディ」など、名前からして楽しくなるようなポップなカラーや、メタリックな光沢のあるカラー、さらに、虹色に輝くオーロラやラメ入りなどがあり、おもちゃ箱のように楽しくて、明るくて、キラキラしたカラーバリエーションです。
色数はなんと33色!
暗がりで光る蛍光色もあります。クリスマスやハロウィンの飾り付けを親子で作ったらきっと楽しいでしょう😊
蓄光ワイヤーはメーカーサイトから購入できます。
他にもあるけれど…
ワイヤーの形・硬さ・ゲージ
丸だけじゃない、ワイヤーの断面の形
ワイヤーには断面の形によっていくつか種類があります。
これらを組み合わせて使いこなせたらプロ!って感じがしますね。
ラウンドワイヤー(丸線)
断面が丸い、普通のワイヤーです。このブログでは基本的にこのワイヤーしか使いません。
というか、私はこれしか使ったことがありません。
これ以降ほかのワイヤーのことをよく知っているかのように書いていますが、すべて想像なのでご了承ください。
ハーフラウンドワイヤー(半丸線)
断面が半円形のワイヤー。
平たい方を裏側にして太いワイヤーに巻き付けると、ラウンドワイヤーを巻き付けたときより座りが良くて撚れにくく、隙間ができにくいです。
カボションを留めるときも、平たい面をカボション側にすればラウンドワイヤーよりも滑りにくく、しっかり留められると思います。
スクエアワイヤー(四角線)
讃岐うどんのような断面が四角いワイヤー。
ラウンドワイヤーと同じような使い方ができますが、ラウンドワイヤーとは光の反射の仕方が違うので使い分けると面白いでしょう。
このワイヤーをねじって装飾に使うと、キラキラしてとても綺麗です。
フラットワイヤー(平線)
きしめんのような平たい板状のワイヤー。
私はこのワイヤーを作品に使っている作家さんをあまり見たことがありません。
これで枠を作ってレジンの型にしたり、下の写真のように、このワイヤー自身の美しさを生かしたシンプルなアクセサリーを作るのに適していそうです。
ベゼルワイヤー、フレーミングワイヤー、ギャラリーワイヤー
カボションを固定するための爪がついたワイヤー。
初めから綺麗な透かしや装飾が施してあって、これでカボションのフレームを作るだけで簡単にペンダントを作ることができます。
同じ金属でも違う、ワイヤーの硬さ
3種類の硬さの名前
クラフト用として販売されているワイヤーには、加工のしやすさや仕上がりの形状保持力を示すために、以下の3つの硬さの区分があります。
デッドソフト(Dead Soft)
死んでる…じゃなくて、"dead"には「完全に」とか「徹底的に」という意味もあります。
金属を溶ける寸前まで加熱する「焼きなまし」という処理を行って、”完全に”柔らかくしたワイヤーです。
曲げ加工や成形がしやすく、細かい細工が可能ですが、強度が低いので構造的に負荷がかかる用途には向きません。
ワイヤーラップやワイヤーウィーブにはこれを使います。
ハーフハード(Half Hard)
焼きなましたワイヤーを急速に冷やす焼き入れという処理を行って、硬くしたもの。
名前の通り、デッドソフトとフルハードの中間の硬さです。
バングルのフレーム、クラスプ(留め具)、ピアスフックなど、変形させたくない部分にピッタリです。
フルハード(Full Hard)
長い時間焼入れがされたもの。強度が高く耐久性に優れ、力を加えても形が戻ろうとする性質(ばね性)があります。
大きな作品のフレームや支持部材などに適した硬さで、ハンドメイドジュエリーにこれを使うことはあまりありません。
日本製のワイヤーの場合
日本でもJISによってワイヤーの硬さが「軟質」「半硬質」「硬質」の3つに分けられていて、軟質がデッドソフトに、半硬質がハーフハードに、硬質がフルハードに相当します。
…が、これらの分類は主に電気関係や産業用途で使われるため、クラフト資材店で目にすることはほぼありません。
郊外の小規模なホームセンターで販売されているのも、銅線の場合は軟銅線か、硬さに関する表記がないものばかりです。
そのため、私のように日本製の銅線を使う場合は「軟銅線」一択となってしまいますが、金属には曲げたり叩いたりするなどの加工を行うと徐々に硬くなる性質(加工硬化)があるので、硬さの調節は可能です。(ナイロンジョープライヤーを使うと簡単)
それに軟銅線もメーカーによって硬さがけっこう違うので、複数のメーカー製品を買って使い分けるという手もあります。
ワイヤーの太さ(ゲージ)
数字が大きいほど「細い」、ワイヤーの番手
ワイヤーの太さにも規格があって、線番という番号で呼ばれることが多いです。
たとえば20番の場合は「#20」のように表記します。
ちょっと感覚に反しますが、番手は数字が小さいほど太く、大きいほど細くなります。
例:#14
は #20 より太い
これはワイヤーの製法に由来があります。
ワイヤーは太い金属の棒を穴に通して何度も引き伸ばして細くしていくのですが、昔は「何回引き伸ばしたか」という回数をそのまま線番としていました。
それが慣習として残り、引き延ばした回数の多い細いワイヤーほど、大きい線番が振られているのです。
もちろん、現在は規格ごとに厳格に直径が定められています。
日本に混在する3つの主要規格
日本に流通しているクラフト用ワイヤーは主に日本製、中国製、アメリカ製ですが、これらは三者三様の規格を採用しているため、同じゲージ番号でも太さが違います。
アメリカ製
AWG(American Wire Gauge)というインチ基準の規格を採用。
クラフト用ワイヤーは、メーカーによってはAWG番号の代わりに、インチ表記で太さを表示していることもあります。
日本製
JIS規格は断面積そのものをミリメートルで表記しますが、一般に市販されているクラフト用ワイヤーは、慣習的に昔ながらの直径表記とゲージ番号が使われています。
国際基準(ISO)
日本と北米以外の世界中で採用されている規格で、線番ではなく断面の直径をミリメートル(mm)で表記します。
製品によっては、参考として一番近いAWG番号が併記されていることもあります。
ワイヤーゲージ比較表
一覧表を作ってみました。同じゲージ番号でも太さが違うのが分かるかと思います。
日本規格は私が使っているダイドーハントのゲージ表を、国際規格はゲージ番号がありませんが、日本でよく見かけるベネクリエイトのゲージ番号を書き写しておきました。
0.15mmから3.2mmまであります。表内をスクロールしてください。
🚨表内のmmとinchの間隔は一定ではありません
| mm | 日本 | ISO | 北米 | inch |
|---|---|---|---|---|
| 0.15 | #34 | #34 | .006 | |
| 0.18 | #33 | .007 | ||
| 0.19 | #36 | .008 | ||
| 0.20 | #32 | #32 | .008 | |
| 0.23 | #34 | #31 | .009 | |
| 0.25 | #30 | #30 | .010 | |
| 0.27 | #32 | #29 | .011 | |
| 0.30 | #30 | #28 | .012 | |
| 0.33 | #28 | .013 | ||
| 0.35 | #28 | #27 | .014 | |
| 0.40 | #26 | .015 | ||
| 0.41 | #26 | .016 | ||
| 0.45 | #26 | #25 | .018 | |
| 0.50 | #24 | .020 | ||
| 0.51 | #24 | .020 | ||
| 0.55 | #24 | .022 | ||
| 0.60 | #22 | #23 | .024 | |
| 0.64 | #22 | .025 | ||
| 0.70 | #22 | #21 | #21 | .028 |
| 0.80 | #20 | .031 | ||
| 0.81 | #20 | .032 | ||
| 0.90 | #20 | #19 | .035 | |
| 1.00 | #18 | #18 | .040 | |
| 1.15 | #17 | .045 | ||
| 1.20 | #18 | #17 | .047 | |
| 1.29 | #16 | .051 | ||
| 1.30 | #16 | .050 | ||
| 1.45 | #15 | .057 | ||
| 1.50 | #15 | .059 | ||
| 1.60 | #16 | #14 | #14 | .064 |
| 1.83 | #13 | .072 | ||
| 2.00 | #14 | #12 | .079 | |
| 2.10 | #12 | .080 | ||
| 2.30 | #11 | #11 | .091 | |
| 2.50 | #10 | .098 | ||
| 2.60 | #12 | #10 | .100 | |
| 2.91 | #09 | .114 | ||
| 3.00 | #09 | .118 | ||
| 3.20 | #10 | .126 |
この一覧表は個別ページにもあるので、どのページからでもアクセスできます。必要な時に参考にしてください。ヘッダーメニュー、またはサイドバーにリンクがあります。
私が使っているワイヤー
以前は下の写真の「田舎道具」と書かれている方のワイヤーが気に入っててよく購入していたんですが、このメーカーは#24以下の細いワイヤーの製造を止めてしまったのか、どこにも見かけなくなってしまいました。
それで最近はダイドーハントのワイヤーを使っています。































