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【ワイヤーアート入門】 アクセサリー工具の基礎知識 -表現の幅がグンと広がる道具12選!-

ワイヤーアートに使われる工具について
Image by Crepessuzette from Pixabay

これからワイヤーアートを始めてみたいという方向けに、ワイヤーアートによく使われる工具をまとめました。

ワイヤーを曲げたり丸めたりするには、プライヤー(ペンチ、やっとこ)を使います。
始めは数百円のものでも構いませんが、あまりに安いものはグリップが握りにくかったり、すぐ錆びたりするし、太めのワイヤーに使うと壊れてしまうこともあります。

できるだけ費用を抑えつつ、使いやすい工具をそろえようとする場合、1500円前後のものがおすすめです。

メーカーや販売店によって工具の呼び方が違うことがあるので、名前だけでなく形もよく覚えてください。一応この記事には2,3パターンの呼び方を書いておきました。

ラウンドノーズプライヤー(丸ペンチ、丸やっとこ)

両方のくわえ部が円錐状になっているプライヤー。ワイヤーを曲げたり丸カンを作ったり、ワイヤーアート必須の工具です。これがなければ始まりません。

チェーンノーズプライヤー(ラジオペンチ、先細平やっとこ)

挟む部分が平らで先端が細い、クチバシのような形のプライヤー。ワイヤーをきれいに折り曲げることができます。先が細いので小さい部品をつまんだり、狭い部分での作業に便利です。

必ず”ギザなし”とか”溝なし”と書いてあるものを選んでください。”ギザ”とか”溝”というのは滑り止め用の刻み加工のことで、これでワイヤーをつかむと傷がついてしまいます。

滑り止め加工がしてあってもギザなしなら全然OKです。

ニッパー

ニッパーの刃の形にもいろいろあるのですが、フラッシュカットタイプ、または刃先形状がフラットと書いてあるものを選んでください。普通のニッパーではワイヤーの切り口が山形に尖ってしまって肌を傷つける危険があります。
(こちらの写真を見てください。普通のニッパーで切ると左のワイヤーのような切り口になります。)

パッケージ裏面に書いてある切断能力も必ず確認してください。銅線2mmくらいあるといいと思います。

最初にそろえる工具は上記3つだけで十分です。ラウンドノーズとチェーンノーズが何役もこなしてくれます。

たくさん作っていくうちに「あの工具があればこの作業がもっとやりやすいな」とか「あの工具ならもっときれいにできるかも」とか感じることが増えてくると思います。
以下の工具はその時に必要に応じて揃えてください。

人によっては全然使わない工具もあると思うので。

フラットノーズプライヤー(リードペンチ、平やっとこ)

くわえ部が幅広なプライヤー。曲がってしまったワイヤーを挟んでまっすぐにしたり、一定の幅を取ってワイヤーを曲げたいときなどに。

チェーンノーズプライヤーのところでも書きましたが、必ずギザなしを選んでください。

ニードルノーズ、ロングノーズ、ベントノーズ

先端が細いものをニードルノーズタイプ、長いものをロングノーズタイプ、曲がっているものをベントノーズタイプといいます。より繊細な作業がしやすくなります。

写真はチェーンノーズプライヤーのロングタイプとベントタイプです。

ワイヤールーピングプライヤー (ステッププライヤー、ベイルメイキングプライヤー)

3~6段階の円筒形のくわえ部を持つ異形のプライヤー。数ミリから数センチまで、太さは様々。
ラウンドノーズプライヤーと違って円筒形なので、一定の大きさの輪やカーブを作りたいときに便利です。

でもこのプライヤーは編み棒で代用することができます。ワイヤールーパーのようにミリ単位でいろんな太さがあるので普通に便利です。100円ショップで手に入りますしね。

ナイロンジョープライヤー

くわえ部がナイロン製のプライヤー。折れ曲がってしまったワイヤーを傷つけずにまっすぐに戻すことができます。また、アーティスティックワイヤーのようなコーティングのあるワイヤーをつかんでもコーティングが剥げてしまうことがありません。

ナイロン部が痛んできた場合は交換用チップも販売されています。

ハンマーと金床

金属に力を加えると”加工硬化”という現象が起こって硬くなります。
この現象を利用して、全体の骨組みや土台、またはピアス金具など、形が崩れては困るものをハンマーで叩きます。
また、叩けばワイヤーが平たくなり、正面から見ると太くなるので、それをデザインとして取り入れても面白いです。

ハンマーを選ぶ際は、ワイヤーに跡がつかないように打撃面がかすかに丸くなっているタイプを選んでください。こういうのです→ジュエリーハンマー [CH223]

リンク先のようなジュエリー用ハンマーを買うのが一番いいのですが、こだわらないなら"げんのう"のような、打面がちょっと丸くなっているものなら何でも大丈夫です。安いものは1000円もしませんし。("げんのう"とは、釘を打つときに木に跡を付けないよう、打面が丸くなっているハンマーのことです)

金床は足付きや角付きなどありますが、ワイヤーワークの場合はただのステンレスブロックで十分です。

やすり

制作中、工具でワイヤーに傷を付けてしまったとき、400番くらいのサンドペーパーで削り取ります。400番でついた小傷が気になる場合は、さらに1000番や2000番で磨くと綺麗なツヤが出ます。

ワイヤーの切り口を滑らかにしたいときは平たい棒ヤスリが使いやすいです。狭い場所に差し込んで使いたい場合もあるので、幅5㎜くらいの細い棒やすりが便利です。

ビーズリーマー

ワイヤーアート、特にアクセサリーを作る場合はビーズを使うことがよくあります。ビーズ穴が小さくてワイヤーが通らないときに必要になるのがこのビーズリーマーです。
小さいビーズを細いワイヤーで取り付けたいときはなおさらで、しっかり取り付けるためにビーズにワイヤーを何度か往復させるので、穴を拡張しておく必要があります。

よく見かけるのは針のような形のもの(下の写真の黄と赤のタイプ)ですが、樹脂ビーズは穴周りによくバリがあるので、樹脂ビーズをよく使う人はバリ取り用のリーマーもあると便利です。(下の写真の青と緑タイプ)

金属磨き

工具ではないのですが、ついでに紹介。

大容量のワイヤーを買うと、使い切る前に酸化して色が暗くなってきてしまいます。そのため、下準備として制作に入る前に金属磨きクロスかクリームを使って磨いておきましょう。ついでにまっすぐに整えることもできます。

最後に

工具は同じメーカーの物で統一したいような気がしますが、すべて同じデザインだと、作業中にいちいちプライヤーの先を確認しなければならなくて地味に面倒です。個人的にはすべてのプライヤーを違うメーカーの物にすることをお勧めします。

赤いグリップはラウンドノーズ、青はチェーンノーズ、緑はフラットノーズ、黒はニッパー、といった具体に一瞬で見分けられて便利ですよ。

長くなりましたが、最後にお勧めのメーカーとシリーズを紹介して終わりにします。下のリストはメーカーページへのリンクです。

プラモデル用の工具もあるので、間違って購入しないよう注意してくださいね。

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