なんか最近、ラウンドノーズプライヤーのグリップがベタベタするんです。
しばらく前からちょっとペタペタするなとは思っていたのですが、最近になって特に酷くなってきました。
私がワイヤーアートを始めてからもう6年以上は経っていて、ラウンドノーズは当初から使い続けているプライヤーなので、どうやらグリップの素材が劣化してきてしまったようです。
一応、交換用グリップはメーカーサイトで販売されています。これはスリーピークスの精密ミニシリーズすべてに使えるようです。👉交換グリップ
でも送料も入れると1020円になってしまいます。グリップに千円かけるなら新しいのを買いたい… やっぱりこのベタベタをきれいに取って、大事に使うに超したことはありません。
というわけで、家にある物だけでなんとかできないだろうかと、いろいろ試してみることにしました。
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本題に入る前に断っておきますが、タイトルにもあるとおり、この記事は私がグリップのベタベタを取ろうとしてネット情報に翻弄された話で、内容はペラペラでグダグダです🍀
でも一応、私の経験が誰かの役に立つかもしれないと思って、書き残しておくことにしました。
ベタベタの取り方だけ知りたい方は、無水エタノールをしみこませた布で拭き取るというやり方が一般的っぽいです(私はもう怖いのでやらないけど💧)。
あとは重曹、セスキ、アンモニアを含む洗剤、スプレータイプの漂白剤など、アルカリ系洗剤につけ置きすると、ベタベタ成分を洗い流せるはずです(今回の経験から言ってこちらのほうがお勧め)。
ただ、ゴムとか樹脂とか呼ばれる物にもいろんな種類があるようなので、いずれの場合もあまり手に触れない部分で試してみて、問題ないことを確かめてから全体に使いましょう。
このベタベタは一体なに?
たまにボールペンのグリップがベタベタになっていることってありますよね。私のラウンドノーズプライヤーもこれ同じ事が起こったようです。
そんな汚い手で触ったっけ?なんて思ってたんですが、ゴム製品は時間が経つと加水分解という現象を起こしてベタベタになるらしいです。ゴムを構成している分子が空気中の水分と反応して分解してしまうのだとか。
ゴムが分解してしまった結果、表面に油が浮いてきたり、分解による化合物ができます。これらがベタベタの原因です。
この油はゴムに弾力を持たせるために添加されている可塑剤なので、加水分解が進むと、ゴムは硬くなってひび割れが発生します。
湿度の高い日本、特に梅雨時や夏は加水分解が進みやすいんでしょうね。この時期はワイヤーもめっちゃ酸化しますしね…
対処1:消しゴムでこすってみた
まず最初にやってみたのは消しゴムです。
ボールペンのグリップなら消しゴムでこすればベタベタがすっきり取れます。なので工具もこれで綺麗さっぱり解消するだろうと。
でも擦れど擦れど真っ赤な消しカスが無限に出てくるだけで(グリップが赤いので)、ベタベタ度合いはまったく変化なし。消しゴムは駄目でした。
対処2:エタノールで拭き取ってみた
消しゴム以外は自力では何も思いつかなかったので、ここで検索。無水エタノールをしみこませた布で簡単に拭き取れるという情報を見つけました。
エタノールといえばよく見かけるのは消毒用ですが、消毒用エタノールは無水エタノールを水などで薄めて蒸発するのを遅らせたものです。
無水エタノールは持ってないけど、消毒用エタノールならコロナ禍の時に買ったのがまだ残っていたので、さっそくやってみました。
私が使ったのはこちらの製品です。主成分はエタノールと書いてあったのでOK、と思ったのですが…
…もうベッタベタに!
表面が溶けてしまったのか、いままで以上にベタつきが酷くなってしまいました。今まではちょっとベタベタするものの我慢して使える程度だったのに、それすら不可能なほどべっちょり手に張り付くベタつきぶりです。
(一応言っておきますが、このハンドジェルは本来の目的で使う分には何の問題もないいい製品です)
試しに、今は使っていない古いプライヤーにもこのジェルを直接つけてみたところ、まったく問題ない物と少しペタペタしてきた物がありました(この実験、先にやるべきだった)。でも今回のラウンドノーズほどベタベタになった物はありません。ゴムにもいろいろあるんですね。
やってしまったあとで調べたんですが、アルコールはゴム製品の老化防止剤を抽出するとか、アルコールはゴムや樹脂を加水分解するとか、書いてあるサイトがちゃんとありました。
それにしても無水エタノールを勧めているサイトがたくさんあるので、もしかしたら無水エタノールだったら表面を拭き取ったあと、ゴムを劣化させる前に一瞬で蒸発してしまう、ということなのかもしれません。
私が参考にしたサイトは消毒用でも大丈夫だとはっきり書いてあったのですが…😭
ちょっと関係ない豆知識ですが、エタノールはエチルアルコール、メタノールはメチルアルコールという別名があって、どちらもアルコールの一種です。名前が似ているけど、メタノールは燃料などに使われる毒物なので間違えないように気をつけましょう。
コロナ禍の時に燃料用アルコールを消毒用アルコールの横に陳列しているお店があったそうです💀💀😱
対処3:漂白剤に浸けてみた
ベタつきがあまりに酷くなってしまったのでもう諦めるしかないかなと思いつつ、一応別のサイトを探してみたところ、今度は漂白剤を使うという方法を見つけました。
ゴムのベタベタ成分は酸性なので、アルカリ性の漂白剤で中和できるそうです。スプレータイプの漂白剤なら、直接吹き付けて5分ほど置いてから洗い流せば良いということなので、やってみました。
…変化なしです。
対処4:重曹水に浸けてみた
漂白剤と同じく重曹もアルカリ性なので、重曹水に漬け込むのも効果があるそうです。
漂白剤がダメだったんだから重曹も無理だろうと思いつつ、ダメ元でやってみることにしました。
プラ容器にグリップが浸る程度のぬるま湯を張って、小さじ1くらいの重曹を溶いて(溶かしきるのにちょっと苦労する程度の量)、15時間くらい放置したかな?このときは完全に諦めモードだったので適当です。
次はどんなラウンドノーズプライヤーを買おうかなとアマゾンなど見て回っていたのですが…
今度はベタベタが完全に除去できました!
重曹ではうまくいったのに漂白剤は駄目だった理由は、単純に漂白剤に浸けておく時間が少なかったのかもしれません。エタノールのダメージが大きすぎて5分では足りなかったのでしょう。
おそらく30分くらい待てば重曹と同じ効果があったんじゃないかという気がします。
ただ、こちらのサイト👉wikiHow によると、濃い色のゴムは重曹で白っぽく変色してしまうことがあるようです。
工具のお手入れと管理
というわけで、ラバーグリップのベタベタはアルカリ性のもので中和できることを知ることができました。
今回はエタノールで変なことをしてしまったせいで苦労しましたが、工具のメンテナンスをするタイミングで、グリップも重曹やセスキのウェットシートで拭いておけば手垢を落とすついでにベタベタ予防にもなりそうです。これからはそうしようと思います。
ちなみに工具のメンテナンス法ですが、金属がこすれあう部分にミシン油などの鉱物油を1滴垂らしてハンドルを小刻みに動かすと、真ん中の丸い部分から茶色い油が浮いてくるので、それを拭き取ってください。茶色いのは錆です。
さらに、油をしみこませた布で金属部分全体を磨いておくと錆予防になります。このときグリップに油が付かないよう注意しましょう。ミシン油は樹脂を劣化させます。
そもそも工具が空気中の湿気に触れないように保管しておけば, 錆や加水分解をある程度防ぐことができます。私は下の写真のように箱に立てて本棚に差し込んでいるので、全然いい管理法とは言えません💧
これとか、木製のツールボックスなんてちょっとおしゃれでいいなぁと思うんですが
やっぱり蓋のある箱にしまうと出すのがめんどくさい('A`)